緑内障
緑内障の症状
緑内障は、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています
緑内障は、一般的には「あおぞこひ」と言われ、眼圧(目の中の圧力)の上昇などを理由に視神経(見たものを脳に伝える神経)が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
眼圧は21mmHg程度までが正常とされます。眼圧は眼の中へ造られる水の量と、眼の外へ出てゆく水の量との差で決まります。
緑内障とは
一般的に緑内障では、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。放置すると、失明に至ります。
したがって、早期に発見し適切な治療を受ける必要があります。
我が国や欧米では、緑内障は失明原因の第3位以内に入っています。急性の緑内障では、急激に眼庄が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状をおこします。
時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合は、すぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
初期 | 目の中心をややはずれたところに暗点(見えない点)ができます。
自分自身で異常に気づくことはありません。 |
中期 | 暗点が拡大し、視野の欠損(見えない範囲)が広がり始めます。
この段階でも片方の目によって補われるため 異常に気づかないことが多いようです。 |
後期 | 視野(見える範囲)はさらに狭く在り視力も悪くなって
日常生活にも支障を来すようになります。さらに放置すると失明に至ります。 |
意外に多かった緑内障
1988~1989年に行われた全国規模の調査によれば、40才以上の緑内障の有病率(患者の割合)は3.56%と報告され、実に30人に1人は緑内障であることが分かりました。したがって、日本国内に200万人余りの緑内障患者がいると考えられます。
しかし、実際に治療を受けている患者は40万人程度と非常に少なく、およそ160万人の方は、自分が緑内障であることに気づかずにいます。
- 緑内障は潜在患者が多い病気です。
- 失明を予防するためには、早期発見、早期治療が重要です。
- 40才になったら、一度眼科医の受診をおすすめします。
多くの場合、自覚症状がない緑内障に対して、最も重要なことは早期発見・早期治療です。一度障害された視神経をもとにもどす方法はなく、病気の進行をくい止めることが目標となります。したがって出来るだけ早期に緑内障を発見し、治療を開始することが大切です。
眼瞼下垂
眼瞼下垂とは
目を開ける仕組みは、まぶたを上げる筋肉である眼瞼挙筋(がんけんきょきん)が縮み、軟膏のような瞼板に伝わりまぶたが上がるように出来ています。
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは眼瞼挙筋が弱く緩んだり、腱膜と瞼板の接合部分が外れたりして、上まぶたが開きにくくなる状態のことを言います。
眼瞼下垂の原因には大きく分けて、先天性(生まれつきの症状)と後天性(生まれた後で起こる症状)とがあります。
先天性のものよりも、目を過剰にこするなどの物理的な刺激が繰り返されることによって起こることが多いと言われています。
眼瞼下垂の症状
まぶたが重く開き辛いので疲れを感じたり、頭痛や肩こりや不眠など様々な症状の原因となっています。また片側の場合は左右のバランスが悪く見えることがあります。
黒目が9割程度出ているのが理想で、眼瞼下垂の場合は6割程度しか露出していません。
ただし加齢によってもまぶたはたるみ、眼瞼下垂と同様の症状を現すこともありますが、加齢か眼瞼下垂の区別は医師でないと難しいです。
まぶたを開けようとして額に力を入れるため「額のしわが増えた」、物理的刺激を与える頻度が高い「ハードコンタクトを長年使用している」、「目を強くこする癖がある」このような事例に当てはまる場合は、眼瞼下垂である可能性が高いです。
眼瞼下垂の手術法
一般に眼瞼下垂の手術は、伸びてしまった腱膜を縮めたりする「眼瞼挙筋前転法」、瞼板から外れてしまった腱膜を繋げたりする「眼瞼挙筋腱膜修復法」など複数の治療法があります。
手術法は原因と程度により異なりますが、手術時間は部分麻酔でおおよそ片眼30分で、保険も適応となります。
治療は特に難しい手術ではありませんが、術後一週間から10日は腫れますし、術後一週間で抜糸をします。また手術後の傷跡が気になる場合もありますので、手術前にしっかりと説明させて頂きます。
分院の佐倉整形外科病院 眼科診療部にて眼瞼下垂の手術に対応しております。
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ドライアイ
ドライアイとは
涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。目の表面に傷を伴うこともあり、いわばドライアイは涙の病気と言えます。
現在日本では800~2200万人ものドライアイの患者さんがいるとも言われ、オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり、年々増加傾向にあります。
主な症状
- 目が疲れる
- 重たい感じがする
- しょぼしょぼする
- ゴロゴロする
- まぶしい
- かすんで見える
- 痛い
- 充血する
- 涙が出る 等
主な要因
- 加齢
- 性別(女性の方が
多いと言われています) - 過度のVDT作業
- 乾燥した環境
- コンタクトレンズ
- 喫煙
- 内服薬
- マイボーム腺機能不全
- 結膜弛緩症
- 全身の病気に伴うもの 等
眼精疲労
現代病
現代社会において、パソコン使用しての仕事は今や不可欠なものとなりました。
長時間画面を見続けることにより、目が乾いたり、疲れたり、ピントが合わなくなったりと目の酷使による疲労が増えています。
このような症状を一般的に「眼精疲労」と呼ばれています。いわば現代病のひとつだと言われています。勿論仕事だけでなく、プライベートでも目を酷使することが増えているのも原因となっています。
疲れ目と眼精疲労の違い
眼精疲労はよく疲れ目と勘違いしやすいのですが、一言で言えば疲れ目は一晩十分睡眠をとれば回復します。
しかし、眼精疲労は慢性化してしまいますので、十分な睡眠をとって朝を迎え回復したと思っていても、すぐに疲れやすくなることがあります。
このような症状が起きた場合は間違いなく眼精疲労なので、なるべく早く来院することをお勧めします。
放っておくと・・・
眼精疲労が目の病気ではあるが、放っておくと身体にも影響を及ぼすことがあります。代表的なものだと「肩こり」です。
現代人であれば、誰にでも起こりうる病気でもある。「肩こり」が重度の症状になると「吐き気」や「頭痛」がしてきて集中できなくなります。
日々気をつけましょう
眼精疲労を予防するために下記のことに気をつけましょう。
- 1時間ごとに10分は目を休ませましょう。
- デスクに向かう姿勢を正しくしましょう。
- 椅子や机の高さを自分のサイズに合わせましょう。
- パソコン画面も40cm以上は離しましょう。